言語化の技術

<言語化>

質の高い “意思の伝達” を可能にする技術。

本質を捉える力。それを端的な言葉に凝縮する力。

言語化の技術が以下のような効果をもたらし、知的な対話議論の場を作ることができるようになります。

  • 密度の濃いコミュニケーション 〜 本質を、短く、端的な言葉で。質の高い対話や議論が可能に。言葉を省くのではなく「凝縮」して核心を伝える。構造化・抽象化が有効な場合も。

  • 記憶に残るメッセージ 〜 メッセージ性ある言葉は「場」で共有され共通の言語基盤になる。言葉を通して「智」を共有し、次回以降も、ひとことで背景・狙い・想いが伝わる。

<もくじ>

  • 簡単な例

  • 密度の濃いコミュニケーション (構造化・抽象化を活かした言語化の例)

  • 記憶に残るメッセージ (DeruQuiゼミ生の例)

  • もとめらる資質と能力

  • 言語化ワークショップ

<簡単な例>

「朝から何も食べてなくてむっちゃお腹が空いてます。ガッツリ、焼き肉を食べたい気分です。」

思考をそのまま伝える。

「今の気分を教えてください」の問いに対して、考えていることをそのまま言葉に乗せて伝える。受け手は言葉通りに理解すれば意思疎通も可能です。ただし、伝えたいことが多くなれば、伝えるための時間も必要です。また、本当に大事なことがボヤけそうです。


「焼肉定食」

言語化 〜 思考の本質を捉え、端的な言葉で伝える

「今の気分を四字熟語で」の問いに対して、思考の本質を端的な言葉で表現することで、伝えるべきことが短い言葉に凝縮されます。同時に、受け手が咀嚼し、洞察し、想像を働かせることで、大事なことを読み解きます。

本質を、短く、端的に。伝え手、受け手が言語化の技術を最大限に発揮することで、密度の高い、知的なコミュニケーションが可能になります。

<密度の高いコミュニケーション>

構造化・抽象化を活かした言語化の例をひとつ。

「市場ニーズの変化に伴い、ビジネスは大きく変化した。これまでは、良いものを大量に安く提供することを目指してきた。これからはサービスの時代。顧客体験の重視へ。価値の創出が必要。

生産の効率性を求めた時代は、誰でも同じ結果が得られることを重視し、失敗は悪だった。これからは失敗を成功につなげることが重視される。ルールとマニュアルは機能しないので、組織の理念を理解し、行動指針に基づいて挑戦と成長を繰り返すことが重要。

組織と人の関係も変わる必要がありそう。組織に言われたことをミスなくやるのではなくて、組織のビジョンに向かって挑戦する雰囲気作りが必要。」

「変革を推進する組織はどうあるべきか」の問いの対して、市場背景、組織のあり方、組織と人のあり方を説明する。なるほど、納得感のある重要なエッセンスが詰まってそうです。でも、本当に大事な論点を伝えるには、もうひと工夫あると良いかも。

「3つの視点で考える組織の違い:

  • 狙い生産の効率性向上 価値創造

  • 組織活動:ルールとマニュアル ⇔ 理念と指針

  • 組織と人:従事 (労働と対価) ⇔ 共創 (ビジョンと共感)」

「既存組織と変革を推進する組織の違いを端的に」の問い対して、組織の狙い、組織活動の基本モデル、組織と人の関係、の3つの視点で整理して言語化してみました。構造化・抽象化が鍵です。

論点とそのエッセンスを端的に整理することで、伝えるべきことが明確になり、受け手もポイントを絞って理解することができるようになります。さらに、受け手が理解力・洞察力・想像力を働かせ「行間」を読み取ることで、抽象化された言葉の背景を共有できると、もう一段上の知的なコミュニケーションが可能になります。

<記憶に残るメッセージ>

DeruQui ゼミ生の言語化の例を紹介します。

"CommunicationでArtをDesignする"

DeruQuiゼミ生が、自分の役割を言語化しました。

"ART"とは、人の魅力や想いのこと。ダイヤの原石と言い換えられます。おそらくこれらはまだ言語化できていない状態のものが多く、なかなか他人には伝わらないもの。

一方で、"DESIGN"とは、他人に伝わるように表現することや、そのように表現されたものそれ自身のことです。"DESIGN" は"他人に伝わるように"という点で普遍性を重視する必要がありますが、同時に、"ART"を象徴するようなメッセージ性も含んでいます。

このゼミ生は "COMMUNICATION" を専門とし、"ART" と "DESIGN" の繋ぎ手になることを目指しています。なるほど。説明を聞くことで腹落ち感のある言語化であり、次回以降、"CommunicationでArtをDesignする" とだけ聞けば、その真意が容易にイメージできるようになりました。

<求められる資質と能力>

伝え手、受け手、さらにはファシリテーターのそれぞれが言語化の技術を意識することが重要です。それぞれに求められる資質と能力の例です。

  • 伝え手:本質観取、構造化、抽象化、etc.

  • 受け手:理解力、洞察力、想像力、etc.

  • ファシリテーター:問いの技術、etc.

<言語化ワークショップ>

DeruQuiでは、言語化の技術を身につけるための言語化ワークショップを実施しています。

伝え手、受け手、ファシリテータのそれぞれの立場で言語化の理論をフレームワーク化、DeruQui Styleの対話を通して、自然と言語化を活かした会話ができるようになっていきます。

密度の高い、知的なコミュニケーションが自然にできる人になるために。ぜひ、ワークショップにご参加ください。