知覚の技術

知覚

情報を「自在な視点」で思考につなげる能力。

外部からのインプットから何を読み解いて、どう考えるか。モノゴトを捉える視点とそれを独創的な思考につなげてアウトプットする力。視野を広げ、柔軟な発想でモノゴトを考える力が求められています。

知覚の技術を磨くことで、以下のような能力を身につけることができます。

  • 認知バイアスに囚われない柔軟な思考力 〜 多視点、多角的思考により、認知バイアスを避け、柔軟に考えることができるようになります。

  • 幅広い応用力・豊かな発想力 〜 俯瞰視点・大局観とバランスに長けた思考が可能で、応用力に長け、独創的な発想ができるようになります。

  • 変化の時代の適応力 〜 俯瞰視点と多角的視点は状況変化に強く臨機応変な思考・行動を可能にします。

もくじ

  • 簡単な例

  • 認知バイアスに囚われない柔軟な思考力

  • 幅広い応用力・豊かな発想力

  • 変化の時代の適応力

簡単な例

桃から生まれた桃太郎。おじいさん、おばあさんに育てられ立派な青年に育ちました。やがて、猿・犬・雉と一緒に鬼退治へ。村には平和が訪れました。」

桃太郎は有名な昔話。この話から何を読み取るか。例えば、

  • 桃: 「桃から人が生まれるのか!どんな桃なのか。その構造はどうなってるのか。昔は神秘の桃が存在したのかも!」

  • 環境:「おじいさん、おばあさんはきっと優しかったんだろうなぁ。正義感溢れる良い青年に育ったことからも環境が良かったことが伺える」

  • 猿・犬・雉:「チームワークを大事にしてた。猿と犬が同じチームなんてすごい。多様性に溢れ、個性を大事にするチームだったに違いない」

  • 鬼退治 :「鬼!?戦いを挑むことが理解できない (笑) 相当な自信家かドン・キホーテ的な若者だったのかも知れない」

あるいは登場人物の視点で考えてみることもできます。

  • 村人:「 桃太郎って変なヤツと思ってたかもしれないけど、実は救世主だったのかも」

  • おじいさん、おばあさん:「可愛がってた子が鬼退治に出かけるなんて、とんでもなく心配だったはず。無事に帰ってきてよかったね!」

  • 鬼:「昔は強さが正義だったけど、今の時代は人を困らせてはいけないらしい。今の時代の価値観にあわせていかなければ」

などなど...


情報を「自在な視点」で自身の思考につなげる。モノゴトを視点を変えてさまざまな角度から眺める。もちろん、正解・不正解を問う必要はありません。

知覚の技術を養うことで、新しい視点に新しい気づきを得て、応用・発想を広げていくことができるようになります。

認知バイアスに囚われない柔軟な思考力

天動説 ー 地球を中心に、その周りを太陽や他の惑星が周っているという考え方。宗教的な思想を背景に、地球は宇宙の中心であり、全ての天体は地球のしもべであると考えられていました。複雑な天体の動きも、天動説を前提に理論が構築されました。15世紀までの「常識」でした。

地動説 ー 太陽を中心に、その周りを地球や他の惑星が周っているという考え方。16世紀以降、工学の進歩による観測技術の確立を経て、数学・物理学で理論的に説明できるようになったとも言われています。

電車から山を見て、山が動いていると考えるか、自分が動いていると考えるか。先入観を捨てて、いろいろな視点を行ったり来たりすることで、これまで気づいていなかった「発想」にたどり着くのかもしれません。

教わった考え方、経験に基づく考え方に縛られるのではなく、「自在な視点」を持つことで、認知バイアスに囚われず、柔軟な発想が可能になります。

幅広い応用力・豊かな発想力

2007年、Appleが初代iPhoneを発表しました。当時、国内の携帯メーカーでは「カメラは自分たちのほうが圧倒的に高品質」「音声品質はイマイチ」「作ろうと思えばもっといいものが作れる」と噂されたと言います。

既存携帯、それもハード面だけを見てiPhoneと比較するのは応用力・発想力がなさすぎでした。

一方、iPhone登場と同時に大きくサービスを広げた企業も多数あります。スマートフォンは電話、カメラ、テレビ、etc. を置き換え、音楽、地図、辞書、etc. への新しいアクセス手段を提供し、 LINE、TikTok、etc. に代表される多数のコミュニケーションツールも登場しました。

iPhoneは、ハード面で既存の携帯を置き換えたわけではなく、サービスプラットフォームとしての新しい役割を担いました。iPhone登場時に「自在な視点」でその可能性を捉え、柔軟な思考で応用・発想につなげられるかどうかが、その先のビジネスで大きな差になったことはあきらかです。

変化の時代の適応力

コダックと富士フィルム ー 写真業界100年の競争の勝者は?

長年のフィルム技術の競争の中で変化を遂げられなかったコダック。ネットやデジタルカメラの登場にも対応できず、結局、2012年にコダックは倒産しました。

一方、ヘルスケアや化粧品などへ事業の転換を進め、いまも日本のトップ企業として活躍する富士フィルム。フィルム事業の限界を理解し、自分たちの強みを市場に適応させたのは見事です。

両者の差は歴然。でも、視点を変えてみると違った世界も見えてきます。


「思い出を共有する」ことが写真の価値だと考えると、今、最前線にいるのは Instagram でしょうか。

思い出を共有するために求められるものは時代とともに変化してきました。フィルムの時代から、デジカメの時代に。さらに、ネットの浸透によってプラットフォームが重要な役割を果たすようになりました。この変化に気づいていれば、コダック or 富士フィルムが Instagram を買収する (or 独自にサービスを立ち上げる) という選択肢もあったのかも。

時代にあわせて「自在な視点」で考える力。知覚の技術こそが、変化の時代に即した価値を見出すヒントなのかもしれません。

知覚ワークショップ

DeruQuiでは、知覚の技術を身につけるための知覚ワークショップを実施しています。

情報を「自在な視点」自身の思考につなげ、柔軟に応用・発想する。さまざまな題材を通して、知覚の技術をみにつけるワークを準備しています。

自在な視点を持つことができる人になるために。ぜひ、ワークショップにご参加ください。